アイヌ民族を「先住民族」と明記し、アイヌ施策を国や自治体の責務と定めた「アイヌ施策推進法」が5月に施行された。この法律に反対するアイヌ民族の男性が1日、札幌市中央区の大通公園などで抗議活動を行った。
街頭に立ったのは、札幌市の石井ポンペさん(74)と紋別市の畠山敏さん(77)。「新しい法律に期待していたが、求めてきた(先住民族固有の)先住権や自決権が盛り込まれていない」「昔奪われた資源などを返してほしい」などと訴え、支援者とともにチラシを配った。
大阪から訪れたという男性(58)は「新しい法律ができて関心がある」と言いながら、足を止めて熱心に聴き入っていた。
アイヌ施策推進法は、土地や資源などについての先住民族固有の権利については触れておらず、アイヌ民族の人々の間でも評価が分かれている。(芳垣文子)