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中高生の大半がスマートフォンを持ち、気軽にインターネットにつながれる時代。スマホで受験勉強できるアプリも登場しました。比較的安価で、どこでも学べるのが特徴です。
この4月から早稲田大学で学ぶ男性(21)は、母子家庭で育った。昨年の秋まで別の大学に通っていたが、「自分のように、勉強するためのお金の問題で悩んだ人を助けたい」と強く思うようになった。
eラーニングが進んでいると感じた早大を受け直すことを決意。金銭的余裕がないなか、「スタディサプリ」というスマホのアプリで受験勉強をした。
スタディサプリの授業動画をスマホで見たときの様子。動画の内容に沿ったテキストも表示される
このアプリのベーシックコースは月額980円で、受験に必要な5教科18科目の授業動画を無制限で見ることができる。動画は1本15分程度で、解説テキストも画面に表示される。講義数は、例えば高校3年生向けの英語なら「時制」「仮定法」など項目別に156、18科目全体で1万を超える。
男性は学費などを稼ぐため、早朝や深夜にアルバイトをする日々だったが、「時間とお金がなくても、スマホがあればすき間で勉強できた」。今の大学での学びを通じて、「恵まれない子どもたちの教育、情報格差をなくしたい」と語る。
福島県の県立高校を卒業し、春から早大に進学した須田葉奈花(はなか)さん(18)も、このアプリで学んだ。
周りの人たちはほとんどが県内の国立大を志望。学校の授業もその大学を意識した構成だった。地域に大手の予備校はなく、受験勉強は「スマホのアプリが頼りだった」と振り返る。最初はアプリだけで受験対策が十分なのか不安もあったというが、細かく分けられた授業動画を「分からなければ何度でも繰り返せる」ことが学習の助けになったという。
N予備校の授業動画。画面には受講している生徒の反応や質問が流れる
須田さんはベーシックコースに加えて、1コマ約90分の生配信授業も受講した。一般の予備校の夏期講習や冬期講習にあたる生配信では、生徒が質問などをスマホを通じて投稿でき、講師は投稿にコメントしながら授業を進める。
生配信は1講座につき約1万円。須田さんは秋と冬に受け放題コースを選び、合計7万円ほどだったという。この期間は毎日平均3時間ほど授業を受けていた。
スタディサプリを運営するリクルートマーケティングパートナーズの山口文洋執行役員は、「(塾などの)放課後サービスが、富裕層向けであっていいはずがないという思い」で、8年前にアプリの前身となるサービスを立ち上げた。現在のスタディサプリには高校受験や社会人向けのコースもあり、2018年度の合計有料会員は84万人だ。16年度の42万人から2倍に増えた。
講師は大手予備校と兼業の人も…