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約60人の役員全員が立候補で埋まる。そんな人気組織に生まれ変わったPTAが神戸市にある。無駄な役割はそぎ落とし、子どものための活動はむしろ手厚く――。改革に取り組んだ元会長と当時の校長が、その軌跡を本にまとめた。「PTA不要論」とは異なる改革の方向性を示している。 PTAは誰のため? 加入・退会・免除…親たちの憂鬱 神戸市垂水(たるみ)区にある市立本多聞(ほんたもん)中学校。PTAの役員決めが重苦しい雰囲気になるのは、かつての本多聞中も同じだった。誰も手を挙げず、くじで役が当たると辞退のためにプライベートな家庭の事情を告白する。そんな光景が毎年繰り返された。 「みんなが嫌がるのは意味を感じない仕事が多いからでは」。5年前から、PTAの副会長や会長として改革を主導した今関明子さん(50)は、役員仲間とそう話し合った。 最初に取り組んだのは保護者を対象にしたアンケートだ。「あなたがPTA役員に選出されたとして、必要だと思う活動に○を、必要だと感じないものに×をつけてください」という設問の後、「昼間のパトロール」「体育会の受付」「広報誌」「研修」など15の活動項目を並べた。 予想通り、大半に「×」がついて返ってきた。 そこで「広報」「研修」「愛護… |
PTA役員が立候補で埋まる中学にした2人 軌跡を本に
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