福岡市で8日にあった主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の歓迎レセプションでは、集まった関係者が地元の豚骨ラーメンに舌鼓をうった。宗教上の理由などで豚が食べられない人に配慮した豚骨を使わない「豚骨風」のラーメンも振る舞われ、おおむね好評だったようだ。
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インドネシアの中央銀行に勤める東京在住のプジ・アトモコさん(57)はイスラム教徒。宗教上の理由で豚が食べられないため「日本に来て豚肉を使っていないラーメンを探していたので、うれしい」。別のインドネシアの男性は「素晴らしい味。食欲をそそられる香りだった」と話した。
一方、豚の代わりに使われた牛肉や鶏肉がイスラム教徒向けの「ハラール」の認証を受けておらず、食べられない人もいた。インドネシアの男性は「私は厳格なのでハラールの肉でないと食べられない。これからイスラム教徒の方ももっと来ると思うので、福岡にもハラールの食品が食べられるところが増えてほしい」と話した。
ラーメンは福岡創業の全国チェーン、一蘭が「豚骨」と「豚骨味」をそれぞれ200杯(量は通常の半分)を用意。ミシュランガイドで三つ星を獲得した福岡市内のすし店「行天」は普通の握りずしのほか、ベジタリアン向けの野菜だけのすしも準備した。(横山翼)