準備や片付けのしやすい実験機器や学校用品の開発に、名古屋市のメーカー「ヤガミ」が力を入れている。営業や開発の担当者が現場で拾ったアイデアから、思わぬヒット商品も生まれている。
小学5年生向け「流水の働き実験器」(税抜き1万9500円)は、昨春の発売から1千個超が売れた。長さ53センチ、幅16センチの箱で、パウダー状の砂を敷く。溝を掘って水を流すと、①流れの速いところでは砂が削られる②曲がって流れるところでは外側が大きく削られる③流れが緩いところには砂がたまる――といった様子を観察できる。
この実験は、砂場に山をつくって水を流すのが一般的だ。しかし、準備と片付けに手間がかかり、天候にも左右される。そこで、理科好きな教員の発想をもとに1年がかりで開発した。開発室主任の中村純平さん(31)は「新製品は時短につながり、実験もうまくできる」。砂は簡単にならすことができ、溝の形を変えて何回も水の流れを確かめられる。使った水は回収できるし、屋内で使うので後片付けもしやすい。
ゴミを減らせる機器もある。6年生が学ぶ「呼吸」や「物の燃え方と空気」に使う酸素濃度測定器だ。これまでは使い捨てのガラス管を濃度測定に使うことが多く、大量のゴミが出た。ガラス廃棄物の保管や処分に注意する必要もあった。
一方、新型の測定器はセンサー…