もんじゃ焼き店に人々が集まる東京・月島。かつては情緒あふれる下町だったが、近年は高層ビルが立ち並ぶ。まちの風景や人々の姿を記録として後世へ残したい。そんな思いから、時代ごとにうつろう姿を映像や写真でまとめた「月島百景」が作成された。
作成したのは、一般社団法人「和のたしな美(み)塾」。代表理事の宮本季依(きえ)さんは「まちの一人ひとりが、宝物だと実感しました。転居してきた若い世代と昔から住んでいる人たちの交流にも活用していければ」と話している。
東京都中央区の月島地区では、大規模な再開発で、タワーマンションの建設が相次いでいる。宮本さんは区の「地域コミュニティーの担い手養成塾」に参加したことから「まちの姿を残したい」と映像化を企画。中央区文化・国際交流振興協会の助成事業に応募し、助成金を得た。芝浦工業大の志村秀明教授の協力で、宮本さんやゼミ生ら4、5人で昨年度1年間かけて作成した。
月島1丁目と3丁目に住む10人に対し、それぞれ約2時間ずつインタビュー。商店、交通、年中行事、戦中戦後、近所づきあい、路地・長屋、子どもの遊び、食・娯楽などのテーマごとに約50本のショート動画にまとめた。
昭和初期から、昨秋のハロウィーンイベントまで約80年の生活文化史を住民の記憶で振り返るものになっている。スマートフォンと連係してその場所にまつわるインタビュー動画が見られる地図も千部作成した。
登場する一人の宮本邦夫さんは…