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「自分守るのに必死だった」 「番長」清原に見た繊細さ

10年ぶりの取材だった。体はふっくらし、クラクラするほど強い香水のにおいは消えていた。どの質問にも視線を外さず、丁寧な口調で答えを返してきた。変化を目の当たりにし、本音で人と向き合おうとする思いを感じた。


元プロ野球選手の清原和博さん(51)。私は2008年、オリックス球団担当として現役最後の年を取材した。翌年は阪神甲子園球場で夏の高校野球を一緒に見た。清原さんの「球児たちの姿を見て心がきれいになった」の言葉は、今も耳に残っている。


のちに私は社会のジェンダー意識の下でもがく男性たちを取り上げる企画に関わった。そこで「番長」と言われた清原さんに取材できないかと考えた。繊細な一面も見てきただけに、自分らしさをさらけ出せない「つらさ」を感じていたのでは、と思ったからだ。


取材に応じる返事はもらった。だが、直後の16年2月、清原さんは覚醒剤取締法違反で逮捕された。取材は立ち消えになったが、余計に彼を追い込んだものが気になっていた。


今月、薬物依存を考えるフォー…


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