米国が完全に拠出を停止し、深刻な財政危機に陥っていた国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の資金繰りにめどがついた。米ニューヨークの国連本部で25日にあった会合で、欧州連合(EU)や各国が計1億1300万ドル(約118億円)の拠出を表明した。
UNRWAはパレスチナ自治区や隣国で、計540万人の難民に教育や医療、食糧を提供。今年の必要額は12億ドルだが、2億ドル超不足する見込みで、今月末にも活動に支障が出る可能性が出ていた。
会合では英国、EUは各2400万ドルの追加拠出を表明。ほかに複数の国が今後数週間以内に拠出するといい、当面現在の活動が維持できることになった。日本はすでに3200万ドルを出している。
この日はバーレーンで、米国主催のパレスチナの経済支援会合の開幕を迎えた。だが、UNRWAのクレヘンビュール事務局長は「我々の焦点は目の前にある現実。50万人の子どもを学校に通わせ、850万人に医療を提供することだ」と述べ、競合関係にないことを強調した。(ニューヨーク=藤原学思)
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