春に真っ赤な花を咲かせる沖縄県花のデイゴ。南国情緒漂う姿が観光客に人気で、ポスターにたびたび登場するなどなじみ深い。だが、2000年代から、花が咲かない、木が枯れるといった被害が増えてきた。神戸大の黒田慶子教授(62)は、こうした被害を防ごうと研究を続けている。
特集:沖縄はいま
従来、デイゴが弱る原因は、アフリカ原産の侵入昆虫「デイゴヒメコバチ」のせいというのが定説だった。殺虫剤がまかれたが、被害は止まらなかった。
木の「解剖学」を学び、様々な病気の原因を突き止めてきた黒田さんは、この定説を疑った。健全なデイゴや葉が減り弱り始めたデイゴ、弱ったデイゴなどから、幹や樹皮、枝などを採取し、顕微鏡で観察した。
すると、変色が広がった部分で…