今年400周年を迎え、国の重要無形民俗文化財に指定された北九州市の夏の風物詩、小倉祇園太鼓が2日夜、フラメンコと異色の共演を果たした。地元の映画館「小倉昭和館」で、オール北九州ロケの映画「君は一人ぼっちじゃない」の上映後、ミニコンサートの中で披露された。
日本語で歌うフラメンコをテーマに活動する歌手「LA MOECO」こと、占部智恵さんのフラメンコ教室が、小倉祇園太鼓の「大門町(だいもんちょう)」の地域にある縁で実現。太鼓の響きと情熱的な歌声が融合した。フラメンコギターのデュオ「徳永兄弟」も東京から駆けつけた。
映画「無法松の一生」へのオマージュとして制作され、小倉祇園太鼓が登場する「君は一人ぼっちじゃない」。この日、大門町からは3人が法被姿でステージに。出産間近の渡部文華さん(36)はすり鉦(がね)を響かせ、「魂を揺さぶるリズムは万国共通。ワクワクしながら演奏した」と話した。
「ヤッサ、ヤレヤレヤレ」と小倉祇園太鼓のお囃子(はやし)も歌って盛り上げた占部さん。「日本人にしかできないフラメンコ」にこだわり、「小倉祇園太鼓とのコラボCDを作りたい」と、熱演の先を見据えていた。(貞松慎二郎)