宝塚歌劇団・星組トップ娘役の綺咲愛里(きさきあいり)が、この秋、宝塚を去る。トップスター紅(くれない)ゆずると同時退団で「私たちは去りますが、次の星組を作る皆さんへのバトンタッチのような気持ち。宝塚はそうして代々続いてきたものだと思うので、しんみりせず次につなげたい」と前を見据える。退団公演となるミュージカル「GOD OF STARS―食聖―」は、上海やマカオ、シンガポールなど現代のアジアを舞台にしたコメディー。稽古場は笑いが絶えず、明るい空気感に包まれているという。
湿っぽい別れは似合わない 紅ゆずる退団へ「私らしく」
主人公のホン(紅)と恋に落ち、下町で食堂を切り盛りしているアイリーンを演じる。料理好きなところが自身と重なる。ホンにクッキーを渡す場面を練習するうちに気持ちが高まり、実際に手作りのクッキーを焼いて稽古場に持っていったという。「小道具のクッキーを渡していたら、本当に渡したくなって。夜中に思い立って作りました」
カンフーを繰り出すなどパワフルなキャラクターで、今まで演じた役の中で「一番強い」と感じている。「芯も強いし、戦いも強い。何事にもまっすぐ取り組んでいて、見ていて気持ちがいい」。一方で、「恋するときは、すごく可愛らしい。『恋に夢中な女の子』という面もあるので、いろいろな面をお見せできたら」と話す。
頼りがいのある紅のことを「スーパーマンのよう」と表現します。トップ娘役になって3年目。気持ちの変化についても語ります。
紅とホンの共通点を聞かれると…