8月から愛知県内で開かれる国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の実行委員会は8日、映像プログラムの参加アーティストと出展作品を発表した。14組による15本で、10本がドキュメンタリーだ。新作1本のほか、カンヌ国際映画祭出品作品など計4作品が国内初上映となる。
初上映の作品は「Grand Bouquet」(完全版、吉開菜央監督)▽「典座―TENZO―」(富田克也監督)▽「ホドロフスキーのサイコマジック」(アレハンドロ・ホドロフスキー監督)で、新作が「A Day in the Aichi(仮)」(カンパニー松尾監督)。
「Grand Bouquet」は昨年、東京都内の美術館で「刺激が強すぎる」として一部が黒塗りで上映されたが、今回はカンヌで披露した完全版を初めて上映する。「典座」は実在の僧侶が本人役で出演し、東日本大震災後の日本で苦悩しながら生きる様を描いた作品だ。
映像プログラムキュレーターの杉原永純さん(36)は「映像を通して世界を見る目が少しでも変わればと思い、作品を選んだ。(今回の芸術祭のテーマ)『情の時代』をより深く理解してほしい」と話す。
映像プログラムは9月15~29日、愛知芸術文化センター(名古屋市東区)で上映される。8月9日午後9時~10日午前6時、ミッドランドスクエアシネマ(名古屋市中村区)で特別オールナイト上映がある。(江向彩也夏)
映像プログラム作品一覧(かっこ内は映画作家・団体、敬称略)
「ウロボロス」(バスマ・アルシャリフ)
「デトロイト」(キャスリン・ビグロー)
「共犯者たち」(チェ・スンホ)
「A Day in the Aichi(仮)」(カンパニー松尾)
「ハイ・ライフ」(クレール・ドゥニ)
「夜明け」(広瀬奈々子)
「ホドロフスキーのサイコマジック」(アレハンドロ・ホドロフスキー)
「空に聞く」(小森はるか)
「コンゴ裁判」(ミロ・ラウ)
「民族の祭典」「美の祭典」(レニ・リーフェンシュタール)
「愛と法」(戸田ひかる)
「さよならテレビ」(東海テレビ)
「典座―TENZO―」(富田克也)
「Grand Bouquet」(吉開菜央)
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〈あいちトリエンナーレ〉3年に1度開かれる国際芸術祭。4回目となる今年は8月1日~10月14日、名古屋市内の愛知芸術文化センターや四間道・円頓寺地区、愛知県豊田市内などを主な会場にして開かれる。国内外の作家が参加する現代美術、音楽プログラムを含む舞台芸術などを予定している。