舩木弥和子氏(石油天然ガス・金属鉱物資源機構主任研究員)
――政情不安が続くベネズエラで収入源の石油の生産量が大きく落ち込み、3年前と比べて月別で3分の2以下の水準です。
「発端は1999年の故チャベス前大統領の登場にさかのぼる。国営石油会社に有利になるよう、メジャーと呼ばれる国際石油資本などとの契約を一方的に変更し、反発したエクソンモービルをはじめ一部が撤退。反米左派のチャベス政権と親しかった中南米諸国などの企業が探鉱を担うようになった。こうした企業は経験が浅く、本格的な生産につながらなかった。国の予算もバラマキ政策に使われてしまい、石油産業への投資がおろそかになった」
――それでもチャベス政権下で生産量は一定水準を保っていました。
「ここ数年で急減したのは、2…