エサは成分をよく見て選び、各種おやつや栄養素もしっかり考えて与える。美容、ネイル、友達探しは重要な日課で、新型コロナウイルス流行期間中は、歯磨きや専用の消毒液を確保して、衛生にしっかりと気を配る。体を鍛えるために、ランニングマシンを使い、専属トレーナーも付ける。このように、飼い主がトイレの世話などもしてくれる「召使い」に「落ちぶれ」た今、中国のネコやイヌは多くの家庭で「家族の一員」となり、超快適な暮らしを享受している。北京青年報が報じた。
ペット用品やサービスが細分化
統計によると、2019年から、90後(1990年代生まれ)がペットを飼う主力軍となった。ペットを飼っている人のうち45.2%が90後で、うち、95後(1995‐99年生まれ)が35.6%を占めているように、ペットを飼っている人の若年化が一層際立つようになっている。また、ペットを飼う理由は、防犯目的から、「癒しを得るため」に変化し、今年の新型コロナウイルス流行期間中、ペットと飼い主の関係はより一層深まった。
現在、快適な暮らしを享受しているペットたちは、美味しいエサだけでなく、ヘルシーかにも気が配られている。ペットフードは、冷凍・乾燥フード、ドッグフード、缶詰などをメインに、毛を美しく輝かせ、骨を強くするための機能おやつもペットに与えることで各種栄養素を補充している。
ペット向けのサービスも種類の細分化も進み、ペットホスピタル、ペットホテル・シャンプー、ネコ・イヌ生活館などそれぞれのニーズに合わせた様々なサービスが提供されている。うち、ペット専用エステサロンでは、シャンプーやヘアーサロン、ネイル、耳掃除、歯磨きなど、至れり尽くせりのサービスが提供されている。
新型コロナの影響でペットの除菌、エクササイズも人気に
今年、新型コロナウイルス感染が爆発的に拡大し、ペット用消毒、殺菌系の商品の浸透率が大幅に上昇。ぺット用除菌商品市場のニーズはさらに拡大した。ネコやイヌには、毛や周りの物を舐める習慣があるため、家庭で普通の消毒製品を大量に使うと、ネコやイヌの胃腸の調子が悪くなったり、中毒症状が出たりする可能性もある。そのため、市場では、ペット専用消毒グッズが登場した。除菌、消臭作用があり、生分解する成分であるため、誤食しても無害というのが売りだ。
「巣ごもり生活」が長くなると、好きなものを好きなだけ食べているネコやイヌも体重が増加する。ペットの日常生活の世話をするほか、飼い主たちは太りすぎのペットがダイエットできるようにと、ヘルシーなダイエット食品をエサとするほか、ランニングマシンを買ったり、専属トレーナと一緒に運動させたりするようになった。
動物のかわいさに魅了され完全に虜となっているものの、アレルギー体質であったり、家に飼育できる環境がないという人も多い。そのため、バーチャルの世界でネコを飼ったり、ネコの動画や画像を楽しんだりするというのが人気となっていることは、全く不思議な事ではない。ネット上では、大人気のペットたちの日常生活の一挙一動を捉えたショート動画や飼い主によって編集された爆笑のショート動画などがショート動画プラットフォームで好評を博している。さらに、商品の宣伝をするペットも登場。動画を見ると、煮干しを販売するショップにアクセスするリンクが貼られている。当の「本人」はどれだけ売れたかを気にすることはなく、「自力更生」で、自分のお小遣いは自分で稼いでいるという訳だ。
ペット1匹当たりにかかる費用は年間5561元
2019年、中国のペット(イヌ、ネコ)消費市場の規模は前年比18.5%増の2024億元(1元は約15.8円)に達した。また、ペットを飼っている人の数は7355万人から9915万人に増え、うち24%の月收が1万元以上で、毎年平均5561元を1匹のペットに使っている。
それでも、業界関係者は、中国におけるペット飼育の流行は始まったばかりで、ペット市場にはまだ大きな発展の余地があると見ている。コンサルタント会社であるFrost&Sullivanの統計によると、2019年の時点で、中国のペット飼育率は22.8%で、米国の68.9%や英国の45.0%と比べると、まだ大きな差がある。
また2019年の時点で、中国でペットを飼っている人の約80.0%は、ペット飼育の第一世代。米国のこの数字は約40.0%だ。また、1匹当たりのペットにかける費用も、米国は中国の約2倍となっている。このように、中国のペットの「快適な暮らし」は始まったばかりなのだ。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年10月21日