6月に食道がんの手術を受けた俳優の岡田眞澄(69)が12日、都内で行われた「2005ミス・インターナショナル世界大会」のレセプションパーティーに出席し、仕事に復帰した。会見では、のどや腹部など計79針も縫う大手術で、声を失うリスクが高かったことを告白。元気そうな様子で「選挙の当選発表のような気持ち」と喜びをあらわにした。
手術前より体重が約10キロ減ったという岡田は「モデル体形になったでしょ」と笑顔を見せるなど元気そのもの。「がんという地雷を無事に取り除くことができ、人生に勝った者として、昨日の選挙じゃないけど当選発表のような気持ちです」と顔をほころばせた。
6月初旬に受けた定期検診でがんを発見。初期段階だったが、腫瘍(しゅよう)ができていた部分が食道の上部で声帯に近い場所だったため、医師からは、声を失う可能性があるハイリスクな手術になると宣告されたという。しかし「声よりも命」という妻の後押しもあり、同22日に入院、26日に手術を受けた。
手術は、がんができている部分の食道を切除し、胃の上部を引き上げて食道の切り端とつなぐというもの。医師が臓器を手でよけるなどの措置も必要だったため、腹部と背中も切開。首17針、腹部25針、背中37針を縫ったほか、肋骨も2本折る大手術で、約9時間に及んだ。「目覚めて声が出たときはうれしかった」と安どの表情を浮かべた。
先月13日に退院し、現在は通院中。刺激の強い物や好物ののりなどは食べられず、1日5回に分けて「離乳食のような食事」をしているが、「この通り元気」と完全復活をアピール。闘病中は95年に結婚した26歳年下の妻恵子さん(43)や愛娘の朋峰(ともみ)ちゃん(6)の存在に支えられ「愛する人がいなかったらこんな力は出なかった」と振り返った。
68年の第8回大会から、司会を務めるなど37年間にわたり携わってきた「ミス・インターナショナル」の記者発表の場での復帰宣言。世界中の美女約50人を従えての会見で「こんなぜいたくはないね」と上機嫌。今後はテレビ出演やジュエリーブランドのプロデュースなど精力的に活動を再開する。
スポーツニッポン 2005年9月13日