昨年4月に法人化された国立大の経営を「国立大学法人評価委員会」(委員長、野依良治・理化学研究所理事長)が調査したところ、全体としては順調だが、約1割の大学で、人件費管理など業務運営の効率化の点で遅れがみられた。
89の国立大の実績報告書などをもとに(1)業務運営の改善・効率化(2)財務内容の改善(3)自己点検・評価、情報提供(4)その他業務運営--の4項目について「特筆すべき進行状況」から「やや遅れている」「重大な改善事項がある」まで5段階で評価した。
その結果、4項目すべてで「重大な改善事項」はゼロ。(2)では「やや遅れている」もなかった。(3)と(4)でも「やや遅れている」は各3大学にとどまり、ほぼ順調に年度計画を実施している状況がうかがえた。
しかし(1)では、大学院の修士または博士課程で定員充足率が低いなど、計10大学が「やや遅れている」だった。【千代崎聖史】