千葉県松戸市のマブチモーター会長、馬渕隆一さん方で02年8月、妻悦子さん(当時66歳)と長女由香さん(同40歳)が殺害、放火された事件で、県警松戸東署捜査本部は、前橋地裁で前橋簡裁で窃盗罪などで実刑判決を受けた62歳と54歳の男2人が事件に関与した疑いが強まったとして、来週にも別の事件の容疑で取り調べる一方、馬渕さん方の事件についても追及する。小型モーター世界トップメーカーの会長宅を狙った事件は発生から3年を過ぎ、大きく進展する可能性が出てきた。
事件は02年8月5日午後4時ごろ、馬渕さん宅から出火、木造2階建て住宅延べ約170平方メートルを半焼し、1階で悦子さん、2階で由香さんの遺体が見つかった。2人は首をネクタイで絞められ、顔と口には粘着テープが張られていた。現場には放火に使ったとみられる混合ガソリンの2リットル缶が残され、確認されただけで、1300万円相当の貴金属計9点が盗まれていた。
事件をめぐっては、関西在住の男性が捜査本部に情報を提供し、昨年末に「知り合いの男2人が事件に関与した」と証言した。捜査本部の調べで、2人の車が事件の数日前、馬渕さん方付近を走行していたことが自動車ナンバー自動読み取り装置(Nシステム)で判明。群馬県伊勢崎市で2人が同居していたアパートなどを調べ、事件の関与についても調べていた。
2人は別の事件で服役中に知り合い、今年1月18日、群馬県前橋市内の無職女性宅に侵入、現金約7000円を盗んだ疑いで現行犯逮捕された。同県内などで新聞のお悔み欄を参考に、通夜などで留守となった資産家宅を狙った空き巣を繰り返しており、4件の窃盗罪などで起訴された。54歳の男は6月に懲役2年8月、63歳の男は7月に懲役4年の判決を受けた。【神澤龍二】