離婚した妻側に親権がわたった長女を連れ去ったとして、福岡県警は6日までに、横浜市南区永田東2、弁護士、渡辺正則(47)と、名古屋市千種区下方町4、父親の無職、渡辺春海(73)ら4容疑者を未成年者略取容疑で逮捕した。
他に逮捕されたのは、ともに探偵事務所調査員で福岡市南区日佐1、高原慶太(38)▽福岡県宇美町光正寺1、二瀬幸一(47)の2容疑者。
調べでは、渡辺容疑者らは4日午前7時15分ごろ、福岡市南区大楠3の西鉄高宮駅構内で、正則容疑者の長女で登校中の小学3年女児(9)を抱きかかえて連れ去った疑い。渡辺正則容疑者と春海容疑者は親子で、女児は5日夕、春海容疑者宅で保護された。
正則容疑者は高原容疑者らを使って女児の行動を下調べしており、高原、二瀬の両容疑者は女児を連れ去る際に車の運転手役を務めていた。
調べに対し、正則容疑者は「子供を連れ戻しただけだ」と供述しているという。
正則容疑者は昨年10月に妻と離婚しており、女児は福岡市南区在住の母親と親権のある祖父母らと暮らしていた。親権を巡り、福岡家裁に調停を申し立てており、昨年夏ごろから時折、小学校周辺で女児の姿を遠巻きに見ていたという。女児は連れ去られる際、「助けて」と悲鳴を上げていた。
正則容疑者は東大法学部などを卒業後、89年に司法試験に合格。神戸地裁や福岡地裁の裁判官を経て弁護士登録し、第一東京弁護士会に所属していた。【松本光央】