インドやアフガニスタンにも被害が及んだパキスタン地震で、パキスタンの軍当局者は米CNNテレビに対し、9日までに死者が1万8000人、負傷者が約4万人に達したと明らかにした。パキスタンは8日夜、一時的に激しい雨に見舞われ、救出作業が難航。首都イスラマバードで倒壊した高層アパートでは、依然多数の住人らががれきの下に生き埋めになっているとみられる。
一方、国連や日本など各国の緊急援助チームが9日から現地入りし、救援活動に当たる。
パキスタンの民放ジオ・テレビによると、アフガニスタンとの国境地帯の北西辺境州で約1600人が死亡。また同国北部マンセラで学校が倒壊、少女ら約250人が犠牲となったほか、北東部のアザド・カシミール特別州で軍の病院が崩れ、兵士約200人が死亡するなど被害が拡大した。
イスラマバードで倒壊したアパートの1階に居住し、死亡した国際協力機構(JICA)派遣の専門家で福岡県出身の楢原覚さん(36)と長男の輝ちゃん(2つ)の遺体は8日夕、イスラマバード市内の病院に搬送。負傷した妻ひろみさん(34)も同じ病院で治療を受けた。関係者によると、楢原さんの母親と兄らが10日、パキスタンに向かう見通し。
日本の外務省によると、イスラマバードなどパキスタン北部には約500人の日本人が在住、うち約9割の安全が確認された。イスラマバードの日本大使館によると、パキスタン北部への日本からの団体旅行客などは確認されていないという。(イスラマバード共同)