【酒泉(中国甘粛省)西岡省二、北京・大谷麻由美】中国2度目の有人宇宙船「神舟(しんしゅう)6号」が12日午前9時(日本時間10時)、内モンゴル自治区西部の酒泉衛星発射センターから宇宙飛行士2人を乗せて発射され、地球の周回軌道に乗り、打ち上げは成功した。中国は有人宇宙船打ち上げの2回連続成功で「宇宙大国」への道を確実に歩むとともに今後、軍事、ビジネス両面での宇宙開発プロジェクトを加速させるとみられる。
神舟6号は、03年10月に打ち上げられた神舟5号と同じ「長征2F」ロケットに搭載された。楕円軌道で地球を周回後、軌道を高度343キロの円軌道に修正して飛行し、同自治区内に帰還する計画。17日まで5日間の飛行を予定しており、飛行時間は21時間23分(地球14周)だった5号を大幅に上回ることになる。
打ち上げの模様は、国営中国中央テレビで同時中継された。神舟5号では生中継されておらず、打ち上げに対する自信を示す形となった。
飛行士1人だけだった5号は米露両国に次ぐ有人宇宙飛行の成功そのものが強調されたが、6号は宇宙飛行士が初めて宇宙服を脱いで軌道モジュール(船室)に移り、種子の発芽に関する実験や人体の細胞に関する実験も予定している。
中国は今後、07年に打ち上げる予定の神舟7号で初の船外活動を計画。宇宙ステーション建設計画にも着手しており、同8号、9号で初のドッキングを行う予定。一方、07年に月面探査の人工衛星を打ち上げ▽12年ごろに無人探査機の月面着陸▽20年までに有人宇宙船の月面着陸--の計画を明らかにしている。