五島正規衆院議員(民主)=高知1区で落選、比例四国ブロックで復活当選=の政策秘書による公選法違反事件で、政策秘書の矢吹雅敏容疑者(50)の逮捕容疑となった運動員らへの現金支払いを巡り、陣営内で当時、違法になる可能性が指摘されていたことが16日、分かった。陣営幹部と矢吹容疑者が、「公選法に違反するのではないか」と話し合ったという。高知県警捜査2課などは同日、矢吹容疑者を同法違反(現金買収)容疑で高知地検に送検。選挙運動の実態や資金の流れの解明を進める。
矢吹容疑者は先月上旬、選挙運動の報酬として陣営の運動員ら3人に計数十万円を渡したとされる。関係者によると、3人はポスター張りの割り振りや、党のマニフェスト配りの指示などを担当していたという。
公選法は選挙運動に対する報酬支払いを原則、禁じている。陣営幹部は当時、現金を渡すことが「選挙運動への対価にあたるのでは」と矢吹容疑者に何度か質問したが、矢吹容疑者は「単純労務」と話していたという。
矢吹容疑者は調べに「正規の労務に対する支出」と容疑を否認しているといい、県警は3人が陣営で選挙運動にかかわった実態解明などを進める。