昨年12月に亡くなった高松宮妃喜久子さまの課税対象となる遺産総額が約18億6000万円に上ることが関係者の話で分かった。親族4人が相続し、今月13日に東京都内の税務署に申告、この日納税を終えたという。相続税は約7億8960万円。また、ゆかりの美術工芸品431点は今月7日付で宮内庁に寄贈された。この中には、1930年に行われた故高松宮ご夫妻の結婚を祝うため川合玉堂ら当時の画壇を代表する29人の画家の合作による「御婚儀奉祝画帖(ちょう)」など当時をしのぶ作品も含まれる。
関係者によると、喜久子さまの遺産は港区高輪の高松宮邸近くに私有する土地など不動産約10億円と預貯金、有価証券など約8億6000万円の計18億6000万円で、生前に本人が残した遺言書に従って相続された。
また、親族4人に相続された遺産と別に喜久子さまが生前に名誉総裁を務めていた高松宮妃癌(がん)研究基金と恩賜財団済生会にそれぞれ1億円が寄贈された。このほか、喜久子さまが生前に身につけていた洋服などの装束は国立歴史民俗博物館に寄贈され、身の回りの家具や美術工芸品など約600点は宮内庁に贈られた。同庁は贈られた431点の美術工芸品については皇居内の三の丸尚蔵館に保管、整理して活用方法を検討する。【遠山和彦】