寛仁親王殿下(59)が、自ら会長を務める福祉団体の会報に、皇位継承資格について「(男系で続いてきた)我が国固有の歴史と伝統を簡単に変更してよいかどうか」とのエッセーを寄稿していたことが分かった。小泉純一郎首相の諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」が先月一致した「女性・女系天皇の容認」に疑問を投げかけ、「男系男子」継承を訴えている。
今年1月に有識者会議が発足して以降、皇室典範改正問題に関して皇族の考えが明らかになるのは初めて。福祉団体「柏朋会」(東京都港区)が発行している「ざ・とど」の第88号(9月30日発行)で、「とどのおしゃべり-近況雑感-」と題したエッセーで触れた。
まず、「本来は首相傘下の審議会に諮られていますので政治問題であり口出しできないが、本会報は市販されておらず、“身内”の小冊子と理解し、“プライヴェート”に語るという体裁をとります」と記述。
「万世一系、125代の天子様の皇統が貴重な理由は、神話の時代の初代・神武天皇から連綿として一度の例外もなく『男系』で今上陛下まで続いてきているという厳然たる事実です」と男系男子継承を求めた。
そのための具体策として、(1)元皇族の皇籍復帰(2)女性皇族に養子を認め、養子に皇位継承権を与える(3)廃絶になった宮家(秩父宮、高松宮)の祭祀(さいし)を元皇族に継承してもらい再興する(4)側室制度の復活--を挙げている。
寛仁親王殿下は天皇陛下のいとこにあたる。【遠山和彦】