化学メーカー、石原産業(本社・大阪市)の土壌埋め戻し材「フェロシルト」をめぐる廃液不正混入問題で、同社は6日、フェロシルトの自主回収費用が7月末時点の100億円から倍増し、201億円に膨らむ見通しを発表した。このため05年9月中間連結決算の業績予想も下方修正し、最終(当期)損益は当初見込みの11億円の黒字から108億円の赤字に転落する。
同社は6月、岐阜、三重、愛知県での自主回収を表明した。その後、回収費用を精査し、中間決算で特別損失として一括処理すると決めた。06年3月期通期の業績予想も、最終損益は62億円の黒字から70億円の赤字に修正した。株主への配当も、05年3月期と同じ1株当たり4円を計画していたが、無配とする。
回収費用201億円のうち、大半は最終処分場での処理費に充当されるという。回収費用が倍増した理由について同社は「(10月12日に)廃液の混入を公表して以降、受け入れ先の処分場が見つからず、限られた処分場に無理を言って引き取ってもらうため、新たなコストが必要になった」と説明している。【荒木功、鈴木顕】