青森県の補助金約5000万円を不正流用した疑いが持たれている同県岩木町の社会福祉法人「美景会」(木村宏子理事長)で、04年から今年にかけ、理事会の議事録が日常的にねつ造されていたことが15日、分かった。県は特別監査で、木村理事長が独断で理事長印を使い、計5億6643万円の負債になり得る工事契約などを結んだと指摘しており、議事録のねつ造など不明朗な手続きで借金を繰り返したとみている。
県や関係者によると、新たな運営資金や施設整備費を借り入れるために開催事実のない理事会の議事録を作成し、過半数の理事の承認を得たように見せかけていた。また、実際には04年度の監事監査が実施されなかったにもかかわらず、監査報告書が作られていた。
さらに、重要事項の決定の際、理事会に先だって開かれるはずの評議会が、理事会と同時に開催されていた。
木村理事長は「緊急の開催で理事が集まらず、電話で報告し承認はされたと考えている。ねつ造には当たらないのではないかと思う。詳細は今調査している」と話しているが、県は「理事会が有効に成立したとは認めがたい」と指摘している。
同会は同県で精神障害者入所授産施設「大石の里」などを運営する社会福祉法人。県は運営に問題があるとして、20日までに経営内容を詳細に報告するよう求めている。【村松洋】