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デジタル放送の課題:スカパー、新パッケージの可能性

作者:未知  来源:每日新闻   更新:2005-11-18 1:17:00  点击:  切换到繁體中文

スカパーが12月1日より新しいベーシックパックの提供を開始する。デジタル多チャンネル放送も始まってから10年目を迎えようとしている。次なるステップに向かう方策の一つとして、新たなパッケージの集客効果が注目される。(西 正)

 ◇新パッケージの特徴

 新パッケージは二種類に分かれており、テレビ66チャンネルで月額3500円の「スカパー!よくばりパック」と、66チャンネルの中から自由に15チャンネルを選択できて月額2800円の「スカパー!えらべる15」である。

 単純に見比べてしまうと、片方は66チャンネルで3500円、片方は15チャンネルで2800円ということで、前者の方が得だと考える人もいるだろう。700円の違いでチャンネル数が51チャンネルも多いことをメリットと感じる人もいるのかもしれない。しかし、実際にどれだけのチャンネルを視聴するかと考えれば、数が多い割に安いパッケージの方が得だとばかりは言い切れまい。

 現行のパッケージの「スカパー!ベーシックパックALL」がテレビ63チャンネルとラジオ100チャンネルで月額5985円、「スカパー!ベーシックパック」(5種類)がテレビ32~36チャンネルで月額3140円となっているが、それらと比べると、新パックは明らかにスカパーの加入者層の意識が変わってきたのに対応していると思われる。

 スカパーへの加入動機は、かつては「多チャンネルであるから」という声が多かったようだが、昨今は「見たいチャンネルがあるから」ということで、加入者も多チャンネル慣れしてきているようだ。しかし、パッケージによらず、見たいチャンネルだけを単品で契約すると料金が高くなってしまうというネックがあった。今回の新パックが、そうした不満の解消に一役買うことは間違いなさそうだ。

 現行のパッケージについては、新規加入者によるベーシックパックの選択率が2004年1月の39.9%をピークに低下し続けているという。今回の新パッケージの提供により、新規加入者によるベーシックパックの選択率を40%まで引き上げたいという目標が掲げられているが、「多チャンネル」と「選べる」がセットになる仕組みなだけに、十分に実現可能な目標なのではないかと評価できる。

 CATVに加入した際は、ベーシックパックとして20~30チャンネルがセットで付くことになっているが、そこでは加入者側にチャンネルの選択の余地はない。一方、スカパーの場合には、ベーシックパックの選択はMUSTではなかった。とは言え、あれだけの数のチャンネルがあるとなると、無料で全チャンネルを視聴できる期間があると言っても、落ち着いて一つ一つを見比べてみることは不可能であったと言える。

 ◇新パッケージが受け入れられると思われる理由

 昨今のスカパーへの加入動機の中心が「見たいチャンネルがあるから」となってきたということは、最初から目当てのチャンネルを知っていて、それを見るためだけに加入してくるというスタイルの人が増えたことによるのだろう。

 ただ、そもそも「全く知られていない」チャンネルだって多々見られるし、「知ってもらえさえすれば」見てもらえるようになるチャンネルもあるはずだ。もちろん目当てのチャンネルとは契約するけれども、それ以外にも面白そうなチャンネルがあれば加入しようという「多チャンネルであるから」という動機が消えてしまったわけではないのである。

 主流になるのは15チャンネルの「えらべる15」パックの方であろう。ただ、最初に加入する際には、700円を余分に払っても、自分の時間の都合に合わせて、どの15チャンネルを選ぶか決められる「よくばりパック」が便利に感じられるに違いない。

 フリービューの期間は長ければ長いほど、加入者にとってありがたいことは間違いないが、スカパーとしても期間を設定せざるを得ないに決まっているだけに、フリービューではないにせよ700円で選択する期間を手に入れられることは、加入者にとっても大きなメリットになる。

 さらに言えば、加入者としても700円多く払っている以上、なるべく早いうちに自分の好みの15チャンネルを選ぼうという気持ちにもさせられる。要は、700円の違いというのは、加入者にとって、自分の好きな15チャンネルを選ぶ期間を買う代金とも言える。そうした視線で選択が行えるようになると、加入時には視聴しようとは思っていなかったが、それは内容を知らなかったためであり、改めて15のチャンネルを選ぶ際にはピックアップすることになるチャンネルも出てこよう。

 今回の二つのパッケージには、そうした効果が期待できるところが魅力なのではなかろうか。

 もちろん、チャンネル側の競争も、良い意味で厳しくなってくる。ベーシックパックに入ってさえしまえば、実際に見られるかどうかは別にして一定の収入が得られるという「旧来型の常識」は、かなりの程度薄まってくることになる。66チャンネルで3500円、15チャンネルで2800円という差は、15チャンネルに選ばれることのチャンネル側のメリットが大きくなることを意味する。

 15チャンネルのパッケージの組成者は、加入者自身であるということになるだけに、加入者を惹きつけるだけのコンテンツを取り揃えることが、チャンネル側が成功するために求められる絶対条件となる。

 「ベーシック=MUSTBUY」であることをいいことに、ベーシックに入ることだけを目指して、コンテンツの中身の充実と全く関係ないところにコストを投じていた手法は通じなくなっていく。

 そうしたチャンネル側の意識の変化を促すことも、今回の新パックの一つの狙いであるとすれば、それこそが加入者にとって最大のメリットと言えるのではなかろうか。


 

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