城島のメジャー挑戦は、これまでのイチローや松井秀、野茂とは違い、日本人初の捕手として“頭脳”が問われることになる。
打者としての城島はホークスの正捕手となった97年以降、打率3割以上が6回、01年から5年連続で20本塁打以上を放った。個人タイトルには縁がなかったが、日本を代表する打者。メジャーでも、ここまでの打力を持つ捕手はなかなかいないのが現状だ。
課題になるのが、捕手としての仕事。リード面はもちろん、内野の守備体系や投手の交代時期などの判断を下さなければならない。ホークス時代の城島は、若手投手を自主トレに付き合わさせたり、シーズン中も食事を共にして理解を深めた。城島は「監督の野球観をグラウンドで伝えることが捕手の役割」と心得る。
英語は「ペラペラというわけではない」と城島。コミュニケーションが取れない中で、自分の意図を投手に通じさせることができるのか。また、力と力の勝負を重んじるメジャーで、日本的な「揺さぶり」や「裏をかく」の意味を理解してもらえるのか。「捕手が高い評価を受けることは、日本の野球全体の評価につながる」。「駆け引き」を重んじる日本の野球が試される。【百留康隆】
毎日新聞 2005年11月22日 21時03分 (最終更新時間 11月22日 22時24分)