楽天がTBSに経営統合を提案している問題で、TBS幹部は22日、金融機関を通じて水面下で折衝していたことを認めた。仲介の金融機関は、楽天がTBS株の保有率を下げる代わりに、TBSが役員派遣を受け入れることを提案したが、現時点では、両社とも提案内容に難色を示している模様だ。
TBS幹部によると、仲介に動いたのは、みずほフィナンシャルグループと、両社と取引がある三井住友フィナンシャルグループなど「個人を含めて3~4者」という。金融機関などは3週間ほど前から順次、楽天のTBS保有率(19・09%)を下げ、業務提携交渉に入るように両社に促したという。
この動きに対し、TBS幹部は「統合提案は絶対にのめない。楽天も(和解に)動く気がないようだ」と語った。ただ、「殴り合いたいわけではないので、善意の第三者(の仲介)に、ぎりぎりまで期待する気持ちもある」とも述べ、統合ではなく業務提携ならば条件次第で応じる姿勢を示した。
また、TBSは楽天に対し、今週中にも実務者レベルでの会談を開くよう申し入れることを決めた。財務状況や、放送の中立性をどう担保するかについて、楽天がTBSの質問に明確な回答を示さないため、直接会って確認するという。TBSは会談結果を踏まえ、月内に統合を拒否する回答書の原案をまとめる。【TBS問題取材班】
毎日新聞 2005年11月23日 3時00分