新日本石油は22日、帝国石油の株式を1200万株買い増し、保有比率を16.5%から15日現在で20.4%まで高めたと発表した。同社によると市場外相対取引で167億円で取得した。新日石は、今回の株取得の理由について、来春に国際石油開発と経営統合する帝石を支援するためだと説明している。だが一方で、統合比率など経営統合案の内容について「当社の考える方向性にかなうものか、妥当性の検討を進める」とも話しており、今後の新日石の動向が注目される。
新日石は00年3月、帝石株を取得し、保有比率をそれまでの3.9%から16.5%に高めて筆頭株主になった。帝石からの増資引き受け要請に応じ、支援したものだった。だが、その帝石は国際石油開発との経営統合を決定。それを新日石に伝えたのは今月5日の発表のわずか10日前だった。
さらに統合比率が1対0.00144で合意され、統合後の新日石の持ち株比率(今回の買い増し前)が3.08%に低下してしまう事態に同社は不満を抱いている。
今後、新日石がさらに帝石株を買い増し、33%まで保有比率を上げると、2社の経営統合に対して拒否権を発動することもできる。今回の株買い増しを受けて帝石がどう対応するのかも注目される。【須佐美玲子】
毎日新聞 2005年11月22日 21時49分