神戸製鋼所(神戸市中央区)が大阪国税局の税務調査を受け、04年3月期までの5年間で約17億5000万円の申告漏れを指摘されていたことが分かった。一部は仮装、隠ぺいを伴う所得隠しと認定された模様だが、同社はこの時期、繰り越し欠損金がある税務上の赤字会社だったため追徴課税はされなかった。
関係者によると、水処理プラントの建設で下請け会社に支払った経費▽精密機械の輸出で代理店に支払った販売手数料--などについて、国税局は「実態とは異なる」として交際費に当たると判断。子会社の株式をグループ外に売却した際の利益計上が過少との指摘もあったという。
神鋼は03年度から子会社約50社との連結納税制度を採用。そのため、04年3月期では、既に判明している同社子会社「神鋼スラグ製品」(同)による所得隠しも含めて指摘されており、新たに分かった申告漏れは約14億5000万円。神鋼秘書広報部は「国税局と見解の相違があった」としている。【堀雅充】
毎日新聞 2005年11月24日 11時54分