山口県防府市沖の周防灘で21日夜、漁船「第3和義丸」が転覆し、2人が死亡した事故で、徳山海上保安部は27日、船体に付いていた塗料などから同市浜方の貨物船、第八金栄丸(298トン、3人乗り組み)が第3和義丸とぶつかったと見て、船長の則安明義容疑者(77)を業務上過失致死などの容疑で逮捕した。則安容疑者は「ぶつかった認識はない」と否認しているという。
調べでは、則安容疑者は第八金栄丸に乗り込み21日夜、サワラ漁をしていた第3和義丸に衝突、転覆させて乗組員2人を死なせた疑い。
第3和義丸に付いていた青色の塗料が第八金栄丸のものと一致したことなどから、海保は27日午前、則安容疑者を事情聴取するとともに、職員25人が防府市内の港に着岸した第八金栄丸を検証。船体の傷の長さを測ったり、航海記録などを押収した。
事故当時、第八金栄丸は石炭1500トンを積んで北九州市の関門港を出港、広島県大竹市の大竹港に向かっていたという。24日、大分市の大分港に停泊しているところを大分海保が発見、塗料を採取して調べていた。