【ニューヨーク坂東賢治】国連安保理は13日、混乱の続く東ティモール情勢について公開協議を行った。アナン事務総長の特使として同国を訪問したイアン・マーチン氏が現地の情勢について報告し、国連主導の警察部隊の派遣や07年の総選挙への国連の関与が必要になるとの見解を伝えた。これを受け、アナン氏は警察部隊派遣に向けた調査団を近く現地に派遣する方針を表明した。
マーチン氏は協議で現地視察の結果として(1)国連が警察や07年の総選挙に関して主要な役割を果たすべきだという合意がある(2)東ティモールの主権尊重を前提に国民和解に向けた国連の仲介を求める声が大きい(3)死傷者を出した一連の事件の調査が急務だ--などと報告した。
アナン氏はまた、国連人権高等弁務官に事件の真相究明に向けた特別調査委員会設置の準備を進めるように依頼したことを明らかにした。さらに近くマーチン氏が率いる調査団を現地に派遣し、どの程度の警察部隊が必要かなどを調査する意向を示した。オーストラリアなど4カ国の部隊は今後、半年から1年は現地にとどまる見通しだ。
毎日新聞 2006年6月14日 9時54分