来月でデビュー35年目を迎える松任谷由実(52)が世界進出する。新アルバム「A GIRL IN SUMMER」の全曲を7月から世界21カ国に有料配信するもので、日本のメジャーアーティストで初めての試み。ちょうどサッカーW杯で日本代表が奮闘している中での世界進出に「こんなにうれしいことはありません」と喜んでいる。
ジーコジャパンが世界の大舞台で戦う中、日本ポップス界の女王が世界へ羽ばたく。
世界配信が決まったのは、先月24日に発売した通算34枚目のアルバム「A GIRL IN SUMMER」。米アップルコンピュータによる音楽配信サービス「iTunes・ミュージック・ストア」を通じて、全収録曲を日本で21日に先行配信し、7月4日から英、仏、独など同サービスがある20カ国で配信する(米国、カナダは同25日)。
日本人アーティストの全世界配信は、シングル曲で宮沢和史「Shima-Uta(島唄)」、アルバムでインディーズレーベル所属のPE’Zがいるが、メジャーアーティストによるアルバム配信は初。価格は国内で1曲200円、アルバム(12曲収録)は2000円。米国は1曲99セント(約113円)、アルバム9ドル99セント(約1130円)になる見込みだ。
きっかけは、昨年アジア4カ国のアーティストで共同製作した「Smile again」。デジタル配信限定で発売したところ、iTunesのアルバム配信チャート1位に輝き、NHK紅白歌合戦に初出場。02、03年に香港公演を成功させた経験もあり、さらに世界へ積極的にアプローチしていくことになった。全曲購入者にはパソコンで歌詞や写真、動画を楽しむことができる「インタラクティブ・ブックレット」を提供する。
W杯フランス大会時にはユニーホーム姿でステージに立ち、日韓大会では決勝戦を観戦。今大会も自宅で応援しており、そのタイミングでの世界進出に「自分の曲が、歌が同時に世界に届く。シンガー・ソングライターとしてこんなにうれしいことはありません。テクノロジーの進化に感謝します」と心躍らせている。
スポーツニッポン 2006年6月21日