引きこもりのオタク青年がドタバタに巻き込まれていくコメディー「N・H・Kにようこそ!」(角川書店、滝本竜彦さん作)のアニメ化を記念して、30日、東京都武蔵野市のイベントスペース「クロス吉祥寺」で原作の滝本さんやエンディングテーマの「おどる赤ちゃん人間」を歌うロック歌手の大槻ケンヂさんらが登場したトークショーが開かれた。滝本さんは「テーマはオタクだけど普遍性のある小説。アニメも多くの人に見てほしい」とアピールした。
「N・H・Kにようこそ!」は、第5回角川学園小説大賞特別賞を受賞した滝本さんの2作目の小説。3年間引きこもり生活をしている佐藤が不思議な少女・岬と出会い、引きこもりから脱していく様子をコミカルに描くコメディーで、「N・H・K」とは佐藤が妄想するなぞの組織「日本引きこもり協会」の略称。03年からは「月刊少年エース」(同)で漫画化され、現在も連載中。単行本4巻までの累計発行部数は120万部を超えるヒットとなっている。
トークショーには滝本さん、大槻さんのほか、音楽を担当するミュージシャンのサエキけんぞうさん、佐藤役の声優・小泉豊さん、岬役の牧野由依さんが登場。大槻さんは「引きこもりでニートの青年が主人公と聞いて、かつての自分の曲『おどるダメ人間』を思い出した。それを上回る曲と思い『おどる赤ちゃん人間』というタイトルになった」と話し、サエキさんは「アニメとは距離を置いていたが、この作品には社会性がある。誰にでもある心の空洞を埋める作品になるようなアニメになってほしいので、参加した」と作品の魅力をアピールした。また、小泉さんは「単なる引きこもりを演じてはこの役は出来ない」と役柄の難しさを語り、牧野さんは「つかみ所が無い役なので不思議な感じがしています」と話した。
アニメは7月10日午前0時からチバテレビで、そのほかテレビ神奈川など計9局で放送される。【渡辺圭】
N・H・Kにようこそ!
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