【ヨハネスブルク白戸圭一】ベネズエラのチャベス大統領が1日、西アフリカ・ガンビアの首都バンジュールで開かれているアフリカ連合(AU)首脳会議にゲストとして招かれた。開会式の演説で大統領は、アフリカで油田開発する欧米の石油企業を「強盗」と呼び、エネルギー資源国有化へ向けアフリカと中南米の連携を強めようと怪気炎を上げた。
現地からの報道によると、大統領は「世界は米帝国の脅威にさらされている」と主張。石油企業を締め出した自国や天然ガス国有化を宣言したボリビアを例に「アフリカとラテンアメリカが一緒になることでのみ、世界の方向性を変えることができる」と訴えて大きな拍手を浴びた。
大陸のほぼ全域が植民地化されたアフリカでは「反欧米」「反白人」の感情が根強く、この手の演説は表面的には受けがよい。だが、アフリカの大勢は資源開発で外資の積極導入に向いており、チャベス氏の訴えが影響力を持つかどうかは疑問だ。
毎日新聞 2006年7月2日 20時53分