神奈川、埼玉両県警は3日、野宿者などから買い取った戸籍を使って架空の養子縁組を繰り返し、住宅ローン融資金などをだまし取っていた神奈川県大和市、無職、吉村秀一被告(45)=旅券法違反罪で起訴=と茅ケ崎市今宿、無職、小椋知宏被告(33)=私文書偽造罪などで起訴=ら4人を詐欺容疑で再逮捕したと発表した。県警は約30件、計13億円をだまし取っていたとみている。
調べでは、吉村容疑者らは04年3月ごろ、同県藤沢市南藤沢の信託銀行で、他人の戸籍を使って融資申込人になりすまし、偽の不動産契約書などで住宅ローンを組み、同銀行から約2800万円をだまし取った疑い。
吉村容疑者らは、野宿者や多重債務者20人から買った戸籍を組み合わせて養子縁組させ、架空の人物を何人も作り出していた。吉村容疑者は「借金の返済のためにやった。飲食や遊興費にも使った」と供述している。【堀智行】
毎日新聞 2006年8月3日