大阪府茨木市のマンションで、若い女性が次々に監禁され、1人が死亡し、1人が衰弱死寸前で保護された事件で、先月、衰弱死寸前で保護された同府内の女性会社員(24)の両親が毎日新聞の取材に応じ、「捜査をしてくれるよう何度も頼んだが、『本人の意思で家を出ているので、事件性は薄い』と言われ、十分な捜査をしてもらえなかった」と警察への不満を訴えた。
府警捜査1課は3日、部屋に住む無職、村本卓也容疑者(42)を、保護された女性に対する逮捕監禁、傷害容疑で逮捕し、捜査本部を設置した。
両親によると、女性は2月6日午後8時半ごろ、父親に「茨木に行く」といって家を出たまま、連絡が途絶えた。勤務先の会社には同7、8日と欠勤を伝えていたが同9日以降は、会社も無断欠勤。持っていた2本の携帯電話もつながらなくなり、両親は同13日に地元の堺市内の警察署に家出人届けを提出した。
両親は手掛かりを求めて友人らに連絡してみたところ、昨年5月に大阪・西梅田で開かれたお見合いパーティーで男と知り合っていたことが分かった。女性は「付き合ってみたが『友達と会うのをやめてほしい』などと行動を束縛されるので別れた」と友人に話していた。
両親はこの話を聞き、警察にも伝えた。「一緒にパーティーに行った友人がおり、場所も日時も特定できていた。登録制なんだから、調べればどこの誰がすぐ分かったはず。友人も『顔を見れば分かる』と言っていた。警察の怠慢だ」と憤る。【稲垣淳】
毎日新聞 2006年8月3日