与謝野馨金融・経済財政担当相は1日の閣議後会見で、破たんして一時国有化している足利銀行について、「経営改革の取り組みが着実に成果をあげている」と述べ、売却先の選定作業を始めることを正式に表明した。5日に有識者による選定組織を設立して受け皿選びの条件などについて検討を開始し、1年以内の売却先決定を目指す。
与謝野担当相は今月中旬にも福田富一栃木県知事と会談して地元の要望を聴き、2か月後をめどに受け皿候補の募集を開始する。与謝野担当相は受け皿にふさわしい条件として「地域経済を本当に心配してくれる方。当然、政府としてはなるべく高く買ってもらいたい。内外無差別でやりたい」と話した。
足銀は03年11月の破たん後、リストラや不良債権売却を進めた結果、2期連続で最終黒字を確保。債務超過額も破たん直後の約6800億円から06年3月期は約3800億円まで圧縮した。【坂井隆之】
毎日新聞 2006年9月1日