【ジュネーブ澤田克己】国連貿易開発会議(UNCTAD)は31日、今年の世界経済成長率が昨年と同じ3.6%になると予測する06年版の「貿易開発報告」を発表した。日本の成長率は、昨年(2.7%)をやや上回る2.8%になると見込んでいる。
報告は、原油や工業用原材料の価格高騰は、今のところ世界経済の成長に大きな悪影響を及ぼすには至っていないものの、景気減速の恐れは増していると警告した。
先進国の成長率予測は米国が3.1%、欧州連合(EU)が2.3%。先進国全体では2.7%とされた。開発途上国全体の成長率は、中国とインドの高成長が寄与して昨年と同じ6.2%になると予測している。
また、報告書は、米国の輸入に対する世界経済の依存度が過度に高まっており、米国の輸入需要が急減した場合、世界経済に連鎖的な悪影響を与えると指摘。巨額の経常収支黒字を計上している日本とドイツを特に名指しして、内需拡大を通じた世界経済への寄与増大を求めた。
毎日新聞 2006年9月1日