サッカーの欧州チャンピオンズリーグ(CL)は21日、イタリアのミラノなどで16強による決勝トーナメント1回戦の第1戦4試合を行い、2連覇を狙うバルセロナ(スペイン)はホームで2季前の覇者リバプール(イングランド)に1-2で敗れた。バルセロナはデコが先制点を挙げたが、逆転された。
ほかの3試合はすべて引き分け。インテル・ミラノ(イタリア)-バレンシア(スペイン)は2-2、ポルト(ポルトガル)-チェルシー(イングランド)は1-1、ローマ(イタリア)-リヨン(フランス)は0-0だった。チェルシーはシェフチェンコが同点ゴールを決めた。(共同)
◇ホーム不敗17止まり…バルセロナ
2連覇を狙うバルセロナが決勝トーナメント初戦でつまずいた。苦渋の表情で引き揚げたライカールト監督は「守備のミスが大きくこたえた」とがっくり肩を落とした。
前半14分、ザンブロッタの左クロスをデコが頭で合わせて先制した。けがから復帰したメッシ、サビオラ、ロナウジーニョの3トップと中盤のデコ、シャビが組み立てるパスワークで序盤はペースをつかみ、指揮官の狙い通りの展開だった。
唯一の不安は守備だった。前半43分にGKバルデスのボール処理のミスから同点にされ、後半29分はマルケスのクリアミスから勝ち越し点を奪われた。
2003年に就任以来、ライカールト監督が本拠地で続けていた欧州カップ戦の不敗試合(12勝5分け)は17でストップ。起用をめぐって不満をあらわにしたエトーを2試合連続でベンチから外し、チームの結束を促した指揮官の思いも結果的には裏目に出た格好だ。
「後半の立ち上がりに何度もつかんだ得点機を生かし切れなかったのもこたえた」と同監督。アウエーの第2戦に望みをかけ「まだあきらめてはいない。1点差をはね返して勝ちにいく底力をわれわれは持っている」と強気の姿勢をみせた。(共同)
◇シェフチェンコ 値千金の同点ゴール…チェルシー
試合開始後すぐに守備の要のテリー主将が右足首を痛めてピッチを離れ、交代に手間取る間にポルトに先制点を許した。チェルシーにとって悪夢のような展開で、窮地を救ったのが先発で起用されたシェフチェンコだった。
ゴール左でパスを受けると、狙い澄ました左足シュートを右サイドネットに突き刺した。リードを許して4分後。今季から移った新天地で思うように成績が挙げられず、たまったうっぷんを晴らす値千金の同点ゴールだった。
「テリーを失ったことで、システム全体の変更を余儀なくされた。戦術もすべて変えなければならなかった」とぼやいたモウリーニョ監督も、シェフチェンコの活躍にはご満悦だ。貴重なアウエーゴールを奪ったウクライナ代表FWを「得点だけでなく、チームへの貢献も素晴らしかった」と手放しで褒め上げた。
テリー主将の負傷は重く、25日のイングランド・リーグ杯決勝も出場できない見通し。厳しいチーム状況は続くが、中心選手のMFランパードは「ドログバとシェフチェンコの二枚看板がそろえば、チャンスは大きい」と“点取り屋”の復調を喜んだ。(共同)
〇…引き分けに持ち込まれたポルトのフェレイラ監督が「効果的だった」と振り返ったのが、前半13分でのチェルシーのロッベン投入。相手のDFテリーがけがの手当てを受けている間に先制点を奪ったが、これを見たモウリーニョ監督はテリーに代えて攻撃的なロッベンを送った。
前半16分の同点ゴールは、このロッベンがアシスト。「ロッベンはピッチに入るなり高い技術を披露し、同点ゴールをおぜん立てした」とフェレイラ監督を悔しがらせた。(共同)
毎日新聞 2007年2月22日 8時21分 (最終更新時間 2月22日 17時26分)