漫画「家栽の人」の原作者で、ルポライターの毛利甚八さんが原作を担当した裁判員制度の広報用漫画「裁判員になりました-疑惑と真実の間で-」(日本弁護士連合会発行)が完成した。裁判員になった6人の市民が検察側主張の疑問点を見つけて無罪を言い渡すストーリーで、「無罪推定の原則」などを分かりやすく説明している。えん罪事件にも詳しい毛利さんは「裁判官も間違いを犯してきた。市民が刑事裁判に参加する意義を理解してもらいたい」と話している。
日弁連の依頼を毛利さんが快諾し、作画は漫画家の幡地英明さんが担当。若いセールスマンや裁判官の父を持つ人気ロック歌手、板前らが殺人事件を審理し、人を裁く重みを感じながら議論を重ねる様子を66ページで描いている。
裁判員制度を知ってもらうために各地で開かれている関連イベントで無料配布し、申し込みがあれば中学校以上の学校や公共図書館、自治体、医療機関には無料で、個人や企業には1冊100円で送付する。詳細は日弁連ホームページ(http://www.nichibenren.or.jp/)の裁判員制度コーナーへ。東京・霞が関の弁護士会館内の書店でも1冊100円で販売する。【木戸哲】
毎日新聞 2007年3月9日 10時47分