クロアチアの首都ザグレブの大統領官邸で8日、広島の原爆爆心地で熱線を浴びた路面電車の敷石に、平和を祈る観音像を刻んだ「祈りの石」の贈呈式が行われた。
各国元首に石を贈る運動をしている市民団体「ひろしま・祈りの石の会」(梅本道生代表)の訪問団や白川哲久駐クロアチア日本大使ら約20人が出席。梅本代表は訪問団に託したメッセージで「共通の平和のシンボルを持ち合う国々の平和の連帯がまた一つ広がり、強まっていくことを確信する」と述べた。
式典後の出席者との懇談でメシッチ大統領は、来年3月に日本を初訪問することを検討しており、実現すれば広島を訪れたいとの意向を表明。大統領は「平和は与えられるものではなく絶えず勝ち取らねばならない。この石はその必要性を認識させてくれるだろう」と述べた。(ザグレブ共同)
毎日新聞 2007年3月9日 10時18分