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時代を読む:嶌信彦の「眼」 世界最小の歯車をつくる世界的中小企業

作者:未知  来源:毎日新聞   更新:2007-3-9 10:46:34  点击:  切换到繁體中文

 ~モノづくりの技術と誇りをどう守るか~

 先月号で大学発ベンチャーのロボットウエアの開発の話を紹介したら、その数日後に日本経済新聞に同じ話が大きく掲載されていた。やはり注目の技術になってきたらしい。

 今回は、日本の世界的技術を開発する中小企業の第二弾として、世界一極小の歯車の話をしよう。主役は愛知県豊橋市で「樹研工業」を経営する松浦元男社長(71)の話だ。私が毎週日曜日の午後11時からTBSラジオでレギュラー放送している「嶌信彦のエネルギッシュトーク」のゲストで来て頂き2時間近くにわたってトークをしたときの驚きと笑いの内容だ。30分の番組だが、とても収容しきれず2回にわたって放送したほどである。

 樹研工業は従業員約50人、年間売上高17億円のいわゆる中小企業である。社員は先着順で採用、学歴は問わず、タイムカードはなし、終身雇用で定年なし、女性社員の産休後の復帰は自由、会議は自由参加、中卒の工場長に元暴走族、金髪ピアスのヤンキー娘が次々と世界一の製品を製作---などの話題で知られたことのある企業だ。

 松浦社長は白髪の気安くやさしい顔をしたシニアといった風采で、たたきあげの中小企業経営者といった雰囲気はあまりない。しかし、出された名刺を見て「こりゃなんだ!?」とまずビックリした。

 名刺の裏をみるとコメ粒を100倍位にした拡大写真が写っており、そのコメ粒に赤、青、ピンクなどの金平糖のようなプラスチックの部品がやはり拡大して写っているのだ。よくみると歯車(ギヤ)で一番大きなものは1万分の1g、中位が10万分の1g、目をこらしてみえる極小の100万分の1gのギアに5つの歯があることがわかった。その拡大写真の脇には原寸大の10万分の1gと100万分の1gの歯車がプラスチックにおおわれて張り付けてあるが、10万分の1gの方は何とか赤い点がみえるものの、100万分の1gの方は、老眼の私などは眼鏡をはずしよく目をこらして初めて「点」があることが確認できるといった具合に極小、ナノテクノロジーによる歯車なのだ。

◇髪の毛の断面--0.14ミリの技術

 100万g分の1のギアの直径は何と人間の髪の毛を切断した断面と同じという。(10万分の1gの直径は0.245ミリ)。そのプラスチックに5つの歯車が彫りこまれており、他の歯車とかみあわせ何万回転でも回り実用に使えるという。しかもその微細歯車をつくる金型があり量産もできると聞くとさらに驚く。実際、これを国際見本市に出品したら黒山の人が感動し、あっという間に世界にニュースが流れ、世界中から問い合せや見学希望者が殺到したらしい。

 ところが、驚いたことにこんな微細歯車をつくっても応用し、使える製品がまだ見つかっていないそうだ。これらを開発するのに切削機なども必要なわけで、これらの"パウダーパーツ"を製作するのに10億円近い開発投資を行なっている。「製品化はいつでもできるが、使う人がいないのでまだ商品として売れませんが、完成した途端に世界の自動車、時計業界などから信頼を得て他の部品の注文が急増しました。広告費と考えれば安いものです」と笑う。

◇学歴、国籍、採用試験関係なし

 このパウダーパーツを製作したのは、それまで極限とされていた10万g分の1の歯車をつくった当時33才のAさんだった。工業高卒で入社し金型一筋で生きてきた番長風の人物という。A氏と3人がチームをつくり3年かけて世界最小のプラスチック成型品(直径0.14ミリ)を作りあげたのである。以来1日800件以上のアクセスがあり英語の論文も発表した。その後1年もしないうちに樹研工業のビジネス、売上げの中身の70%が変わった。「IT、グローバル化時代の情報伝達力、技術力のもつすごさをイヤというほど実感させられた」と松浦さんは述懐する。

 樹研工業のすごさは従業員の力にある。出勤簿もタイムカードもないが、一つの仕事に取組み出すと勝手に朝4時過ぎから出勤して研究、試作したり、海外に行きたい人間は職場に戻ることだけを条件に好きな所に留学させたり、海外工場の研修にも許可する。こうした樹研には語学に関しては英語はもちろんドイツ語、タイ語などを喋る従業員がいるし、出身は工業高校、短大女性、高卒中退生、中卒者、中国人、韓国人など多種多様だ。「ウチらのような中小企業は新入社員の採用試験を実施しても応募は少ない。それだったら入社希望順に採用したって同じだし、個性的な人物が多いから、予算を与えまかせると目の色を変えて仕事に励んでくれます。人によっては遅咲きはいるが、皆すばらしい能力をもっているし何より定着してくれるから嬉しい限りですよ」と型破りのユニーク経営にも不安はないようだ。

 残業は申告制で定年もない。役員会議も特に行わず、意見は皆が参加する全体会議で好きなように発言する。学歴、性別、国籍を問わず唯一の責任は自分にまかされた仕事は責任をもって最後までやり遂げることだけ---そんな中小企業が世界と堂々と張りあっているところにあらためて日本の中小企業、モノ作りの底力を感じてくる。

 やはり先日、同じラジオ番組に出演して頂いた「komy」の小宮山栄氏の話もユニークだった。「サラリーマンから落ちこぼれて看板業をやっているうちに床屋の店でまわっている回転ミラーの看板を思いついたのが最初。そのうちに平面鏡だが凸面鏡と同じ広角の鏡の開発に取組んで成功したらとんでもない需要がでてきた」という。今や飛行機の荷柵に取りつけた小さな平面鏡を見上げれば、荷物棚の中は全部見渡せるし、エレベーターの両脇についている平面鏡で左右から飛び込んでくる客に注意が行き届く。スーパーやコンビニ、書店では新しく開発したドームミラーなどが万引防止に役立っている。ボーイングをはじめ、今回日本にもやってくる総2階建てのエアバス機の荷物棚もkomy製品が取り付けられることになっている。ここにも世界を相手に中小企業の心意気をみたものである。

◇結局は人材だ!

 松浦さんは松江市生まれで地元の高校を中退、名古屋に出て仕事を転々とした後に豊橋の高校に復学し、アルバイト先の援助もあって愛知大学に入学したという。学生時代は音楽にこり、バンドマン生活でいい暮らしもしたらしい。大学卒業後はサラリーマンとなり営業に精を出しトップクラスの成績だった。それをみていた取引先の人々に独立をすすめられ1965年に創立したのが樹研工業だった。逆に小宮山さんはサラリーマン失格者で自らいたたまれなくなり退社。気がねなくできる仕事をとあれこれ働いているうちに一人でできる看板業にたどりついたという。

 二人の性格は「陽」と「陰」といった違いが感じられるが、共通点は根が研究熱心で、人との縁を大事に生きてきたということだろうか。

 日本の中小企業のモノづくり技術は世界に定評があるものの、部品メーカーだとなかなか世に知られず後継者や従業員が集まらないで、企業を閉じるケースが少なくない。こうしたすぐれた中小企業に出会っていても、その懸念は少なくない。これを放置することは日本の技術、モノづくりの基盤崩壊につながりかねない。いまや海外のヘッジファンドが余裕資金を集め日本のすぐれた中小企業の買収に走っているが、気づかぬうちに中国やインドなどのアジアの国々の手に渡る危険性があることに気づくべきだろう。

 中小企業の育成策は本気で考えるべきだ。それは資金援助ではなく人材だという気がする。中小企業で働くことに誇りをもてる企業社会をつくることだろう。[TSR情報3月5日号(同日発刊)]

 2007年3月9日


 

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