七回2死満塁。フルカウントになった時点でホワイトソックスの井口は直球だけに絞っていた。「真っすぐしかストライクが入っていなかった」。狙い通り真ん中に入ってきた直球を完ぺきにとらえて振り抜くと、打球はバックスクリーン左へ飛び込んだ。
オープン戦序盤はバットのヘッドスピードが十分に上がっていなかったこともあり、安打が出ない試合が続いた。それがここに来て「スイングが鋭くなってきている」という。四回には右中間三塁打も放った。「あそこ(右方向への打球)が伸びてくるようになった」とうなずく。
昨年まで2番打者に徹してきた。今季はアースタードの加入もあり、ギーエン監督は「井口を6、7番に置けば本塁打も増えるだろうし、打点も稼いでくれる」との構想も持っている。井口は言う。「どこの打順でも、回ってきた状況に応じた打撃をするだけ」。チームの勝利に徹する姿勢は変わらない。(共同)
毎日新聞 2007年3月22日 17時41分