夕食時間帯でも人影がまばらな「高松拉麺築港」=高松市のサンポート高松で、大久保昂撮影
讃岐うどんの本場に全国の人気ラーメン店を集めた、高松市の「高松拉麺(らーめん)築港(ポート)」が苦戦を強いられている。3年前の開業時は四国初のラーメンテーマパークとして話題を呼んだが、次第に地元客の足が遠のき、既に7店舗が撤退。苦肉の策として、4月にはラーメン以外の飲食店も入居したが、関係者は「うどん文化の根強さは想像以上。麺の共存はたやすくない」と頭を抱えている。
「めん文化の融合と発展」をコンセプトに、04年3月、高松港再開発事業で建設された「高松シンボルタワー」にオープン。3階フロアの一角(店舗面積計113平方メートル)に、全国展開する「山神山人」「新福菜館」など6店舗が入った。しかし人気は長続きせず、これまでに延べ11店舗が開店したが、現在は4店舗のみが営業している。
総務省の家計調査(06年)によると、高松市で「日本そば・うどん」に支出する1世帯当たりの年間金額は、都道府県庁所在地で1位(9402円)。一方、「中華そば」は45位(3168円)。同タワーを管理運営する「シンボルタワー開発」の村田澄夫部長(52)は「一過性の人気を追求するだけでは限界がある」といい、定食店の誘致も試みた時期もあった。
オープン時から営業を続ける「らーめん山頭火」(本店・北海道旭川市)によると、開業直後の週末は、1日当たり約800人の客が訪れていたが、現在は半分程度に減ったという。しかし、宮城篤史店長(25)は「価格面でうどんと勝負するのは難しいが、味では負けない自信がある」と意欲を燃やしている。【大久保昂】