ベンツやBMWの独壇場だった高級車市場。車種によっては1台1000万円を超えるこの市場にトヨタ自動車が新規参入し、日本車対ドイツ車の激しい競争が始まりました。
トヨタが導入した高級車ブランド「レクサス」。価格は390万円から。来年投入予定の最高級車種には、1000万円を超すグレードも用意されそうです。
「(Q.これまでのトヨタブランドだけでは・・・?)十分に仕切れていない部分を本物の高級感を出してやっていく」(トヨタ自動車・渡辺捷昭社長)
ヨーロッパブランドが幅を利かす高級車市場。その攻略の仕掛けは車だけではありません。店内は、従来の自動車ディーラーとは一線を画す高級感に溢れ、オーナー専用のラウンジも用意。顧客の車が到着すると、誰が来店したのかを瞬時に知らせるシステムまで作りました。
接客の立ち居振る舞いは、小笠原流礼法の指導を受け一流ホテルにも負けないレベル。名刺の渡し方も「時計回り」にします。全ては、ブランドイメージを作り上げるためです。
「4カ月なり5カ月の間に身につけようとしますと抵抗があると思います。そこを打ち破らないと新しいブランドは作れないと思います」(レクサス高輪・都築健司さん)
ライバルメーカーも動きます。日産は、高級セダンに新グレードを追加。
「お金を持っているアクティブなシニアの方が増えますし、成長性は大いにあると思いますね」(日産自動車・関口雄介 本部長)
高級輸入車ディーラー・ヤナセでメルセデス・ベンツを担当する吉川雅之さん。年間70台以上、5日に1台のペースでベンツを売るスーパーセールスマンです。
「メイド・イン・ジャパンというのがどれだけ認知されるかという部分は全く不透明ですけれども、これだけ満を持してトヨタさんがやられるわけですから、我々はもうそっちへ行かないようにとにかくお客様を守るのが仕事ですから」(メルセデスベンツ担当・吉川雅之さん)
レクサスへの警戒心は隠せません。しかし・・・
「ベンツ乗ってるんだというのはもちろん今も万人に浸透しているとは思うんですけれど、レクサス乗ってるんだというふうに言ってもらえるのかどうかと」(吉川雅之さん)
ベンツが持つ「ステータス」こそレクサス対策だと吉川さんは言います。
「(Q.トヨタの営業は強力?)絶対、負けないはずです。そう信じております」(吉川雅之さん)
8月30日、レクサスが営業開始です。最高級がぶつかり合う熾烈な競争が始まりました。