英Juniper Researchが,携帯電話機を使った決済サービス(モバイル・チケット)に関する調査結果を英国時間8月4日に発表した。それによると,2007年には同サービスがモバイル・コマース(Mコマース)市場の大きな部分を占めるようになり,2009年の市場規模は390億ドルに拡大するという。Mコマース市場全体の2009年における売上高は880億ドル規模。
ただし,Mコマース市場で最も規模の大きい分野は,着信音,ゲーム,待ち受け画面,ギャンブルなどのモバイル・エンターテインメントで,2009年の売上高は480億ドルとみる。
また同社では,「モバイル・チケットの多くは,列車やバスの切符,映画や演劇の入場券,自動車の駐車チケットとして利用される」と予測。「ユーザーはモバイル・チケットに関心を示しはじめており,特に欧州と日本ではその傾向が強い」(同社)とする。
そのほかの主な調査結果は以下の通り。
・小売業界でPOSモバイル取引が登場するが,2009年の市場規模は2億9900万ドルにとどまる
・無線ICタグ(RFID)と赤外線通信技術が,携帯電話機を支払い機器として利用する際の重要な技術となる
・あまりに多くの業界団体が既得権益にこだわる影響で,世界的な標準仕様の策定はなかなか進まない
「モバイル・チケットは,大規模市場になる可能性を持っている。買い物やチケット販売をするという行為は,大量にやり取りされ,コストも安い。リスクが小さいので,消費者は1回くらいなら試してみよう,という気になる」 |