ライオンは11月17日、女性が不快と感じる男性の体臭の原因物質を解明し、その発生を抑制する成分を発見したと発表した。
体臭の原因物質には、低級脂肪酸類、ケトン類、アルデヒド類、アミン類、揮発性ステロイド類などがある。特に揮発性ステロイド類は、女性より男性の体に多く見つかる。
このことに着目し、20~30代の男女20人に、わきの下に存在する各種揮発性ステロイド類の臭いを嗅がせ、不快を感じる度合を報告させる官能実験を行なった。すると、このうち「アンドロステノン」と呼ぶ揮発性ステロイド類の臭気についてのみ、男女で感じ方が大きく異なっていた。
すなわち、男性にはアンドロステノンがあまり不快でないのに対し、女性には明らかに不快な臭いであることが分った。また、脳波計測による気分評価でも同様の結果が得られたという。
アンドロステノンは、汗腺からの分泌物が、皮膚上の細菌によって分解されることで発生する。汗や他の体臭の原因物質と混ざると自身の臭気を増強し、同時に他の原因物質の臭気も増強する。
同社では、細菌によるアンドロステノン発生の働きを実験によって再現。その過程で、126種の植物成分について、それぞれどの程度細菌の働きを抑える効果があるかを調査した。その結果、鎮静/鎮咳の漢方薬として使われる杏仁(アンズの種子)のエキスに、ほかと比較して高い抑制効果があることを確認したという。
ライオンはこうした発見を商品開発に応用し、新たな男性用制汗デオドラント剤を2005年春に発売する予定。
|