◇16歳の一藤木、ツアー初戦飾れず
テニスのAIGジャパンオープンは3日、東京・有明コロシアムで開幕し、男女シングルス、男女ダブルスの1回戦を行った。女子ダブルスでは、杉山愛(ワコール)、森田あゆみ(PITA)組がホプキンス、ワシントン組(米国)にストレートで敗れた。男子シングルスは、主催者推薦枠で16歳9カ月の最年少出場を果たした一藤木貴大(エステティックTBC)が、世界ランク82位のニコラス・ラペンティ(エクアドル)に0-6、1-6で完敗。女子シングルスは、浅越しのぶ(NEC)がマリア・ベント・カブチ(ベネズエラ)を破り、2回戦にコマを進めた。
◇とにかく練習です
○…ATPツアー本選初出場の一藤木がわずか1ゲームしか取れず、45分間でコートを去った。約1カ月前、雨中のクレーコートで右足首をねん挫。その影響もあり、まったく自分のテニスができなかった。「練習ができず準備不足。ふがいないプレーだったけれど、観客の声援には勇気がわいた」。目標のランキング100位入りに向けて「どうやっていけばいいのかわかった。とにかく練習量しかない」と強気なところを見せた。
◇若いストローク、30歳杉山も評価
日本のエース、杉山と15歳のプロ、森田のぺアの初めての挑戦は、初戦で終わった。「相手のリズムで試合を運ばれてしまった」と杉山。第1セットこそ、中盤までは接戦を演じたが、第2セットに入ってからは、ホプキンスとワシントンの強いショットの前に、力負けした。だが、WTAツアー・ランク348位の森田には得るところが多かったのも、確かだ。
試合開始当初は緊張の色が隠せなかったが、徐々に溶け込むことはできた。「杉山さんと一緒にできて、世界トップのプレーを間近に感じることができた」。テクニックからスピードまで、すべてがジュニアと違ったが、世界レベルの技を肌で感じることは、今後の糧になるだろう。
30歳の杉山も「ストローク戦で押せるテクニックはある」と、年齢が半分の森田の力を評価する。4日には、WTAツアー・ランク26位のマリア・キリレンコ(ロシア)と対戦する森田。「やったことのないレベルだけれど、ベストを尽くすことだけを考えたい」と笑顔を見せた。【村田隆和】