サムニングループによる住宅リフォーム詐欺事件で、警視庁生活経済課は5日、グループ親会社の「エム・エイチ・エス」(東京都中央区)の元役員、白倉敬之(26)=東京都荒川区東日暮里5=と現役員、菅谷光利(33)=墨田区押上3=の両容疑者を詐欺容疑で逮捕した。2人はグループの営業統括責任者。同課は115億円を売り上げた同グループの商法について、上層部が関与する組織的な違法営業だったとみて、全容解明を進める。
調べによると、白倉容疑者は02年1月、神奈川県横浜市の男性(43)方で「屋根裏の柱がひずんでいる。地震が来たら家が崩れてしまう」とうそを言い、必要のない補強工事の契約を取り付け、代金約117万円をだまし取った疑い。菅谷容疑者は01年7月、同様の手口で千葉県我孫子市の男性(60)から工事代金約224万円をだまし取った疑い。
サムニングループは、東日本担当の「サムニンイースト」(千代田区)と西日本担当の「サムニンウエスト」(休業)、両社を管理する親会社の「サムニンジャパン」(千代田区)の3社が営業を担当し、住宅補強工事などの契約を取り付けていた。エム社は昨年までサムニンジャパンの親会社としてグループの頂点に位置し、3社が受注した工事の施工を担当。エム社が3社を設立する02年2月までは、営業部門ももっていた。
サムニングループは34都道府県の計約5400人と契約を結び、115億円を売り上げていたが、売り上げの約7割がエム社に入金されていたという。こうした実態から同課は、同グループによる一連の被害について、エム社の指揮のもとで行われた可能性もあるとみて調べている。
この事件では、高齢者に「屋根がつぶれてしまう」などと持ちかけて住宅補強工事の代金をだまし取ったとして、詐欺や特定商取引法違反の容疑でイースト社とウエスト社の元社員計5人が逮捕、起訴された。【合田月美】